TOI-GAKU HAKUSHO

問い学白書

問いと共に生きる力の記録

問い学実証ラボ 2026年5月
ver.1 創設者:伊藤順子

HAJIMENI

この白書が生まれた理由

私はずっと、一つのことが気になっていた。「問いって、なぜこんなに人を動かすんだろう。」

12年間、3000人以上の方に「自分軸」のワークを届けてきた。直接のセッションだけでも1000回以上。一人ひとりと向き合い続ける中で、ある現象が繰り返されていた。私が何かを教えたわけでも、答えを渡したわけでもない。ただ「問い」を置いただけで、人は変わっていく。その人らしさが輝き始める。それが本当に美しかった。

同じ頃、別の現象も目にしていた。コーチングなどの質問の技術を学んで、その力を身につけた人たちが、なぜかどんどん苦しそうになっていく。「正しい質問をしなければ」「もっとうまく引き出さなければ」というプレッシャーが積み重なって、問いが人を動かすための「武器」になっていた。おかしい、と思った。なぜ同じ「問い」なのに、こんなにも違う結果になるのか。

その疑問を抱えたまま時間が経って、AIの時代がやってきた。答えを出すことじゃなくて、問いを立てること。効率的に解くことじゃなくて、わからなさの中に留まること。それが、AIには絶対にできない、人間だけに残された領域だ。

バラバラだった点が、ある瞬間に一気に「面」になった。「問いという学問を作りたい。」衝動、という言葉がぴったりだった。気付いたらそう思っていた。この白書は、その衝動から生まれた最初の記録である。

本白書が答えようとする、一つの命題がある。「問いを置くと、人間の意識は外側から内側へ移行する。この現象は、再現可能か。」v1が証明できるのは、3名の現象記述にすぎない。それでも、ここから始める。

CONTENTS

第Ⅰ部 問い学とは何か

  • 第1章問い学が生まれた問い——なぜ今、「問い」を学問にするのか
  • 第2章問い学の定義と構造——この学問が主張する、4つのコア概念(帰還・自生・ネガティブ・ケイパビリティ・戻れる文化)
  • 第3章問い学を際立たせるもの——既存の領域との違いと、問い学の立場

第Ⅱ部 メカニズム:問いはなぜ人を動かすのか

  • 第4章問いが意識に作用する構造——4つのプロセスは連鎖している
  • 第5章問いカードの設計原理——なぜこの三層でなければならないのか(土壌・芽吹き・根っこ)
  • 第6章問いが自生するまでの3段階モデル——借りる・反応する・自生する

第Ⅲ部 実証:ログが示す現象

  • 第7章実証ラボの設計と目的
  • 第8章3名の実践ログ分析
  • 第9章共通現象と個別現象の記述
  • 第9章補オンライン対話が示した現象

第Ⅳ部 考察:問い学が響き合う既存の知

  • 第10章後から気付いた「仲間たち」(現象学・ネガティブ・ケイパビリティ・ホーキンズ博士理論・仏教/東洋思想との共鳴)

第Ⅴ部 限界と今後の問い

  • 第11章この白書で言えないこと
  • 第12章問い学の研究ロードマップ(v2〜v4への問い・研究を支える仕組み)

付録

  • 付録A問いカードの設計思想と構造(三層構造・各層のカテゴリー・逆三角形プロトコル)
  • 付録B実証ラボ参加者プロフィール
  • 付録C実証ログ生データ(抜粋)
PDF DOCUMENT

問い学白書 ver.1
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問い学が学問として成立することを示すための第一次資料。2026年1月〜3月に実施した実証ラボの記録と、問いが意識を動かす現象の記述を全45ページに収録しています。

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